2017-9-12

伝統の職人技と粋なデザインを今に伝える すみだ江戸切子館

今回は、江戸時代から作られている伝統工芸、江戸切子の専門店「すみだ江戸切子館」をご紹介します。

すみだ江戸切子館の外観


 
 すみだ江戸切子館は錦糸町駅から徒歩5分程、錦糸公園を過ぎた蔵前橋通り沿いに店を構えています。明治32(1899)年に創業し、墨田区内でガラスの食器やインテリア、江戸切子などを製造販売している廣田硝子株式会社が、「もっと多くの人に江戸切子を知ってもらいたい」という思いから、平成16(2004)年に分離独立し、平成22(2010)年に現在地で江戸切子工房ショップとして開店しました。ここでは、江戸切子の製品が買えるほか、江戸切子の歴史や製作工程の説明を受けることができます。今回はスタッフの鈴木さんにお話を伺いました。

工房ショップの様子

写真左の窓から、職人が江戸切子をつくる姿を見学できます

鈴木さんが江戸切子の歴史や製作工程を丁寧に説明してくださります

 江戸切子とは、江戸時代後期に日本橋のびーどろ問屋「加賀屋」の手代、加賀屋久兵衛が当時の切子細工を工夫したものが始まりとされています。切子細工をしたガラス工芸ではほかに薩摩切子が有名ですが、薩摩切子は厚めの色ガラスを深く削るのに対し、江戸切子は透明なガラスの上に藍・紅色を中心とした薄いガラスを着せた上から削ります。また直線的なデザインが多い薩摩切子に比べ、江戸切子は江戸風情から生み出される花鳥風月や柔らかな曲線を利用した多彩で粋な切子デザインが特徴です。

江戸切子ができる工程を並べて展示しています

 職人は繊細な紋様を下書きなしでいきなり削り出します。切子細工には長年蓄積された技術、勘と経験、集中力が必要で、熟練の職人でも1つのグラスを削り製品を完成させるのに半日はかかります。販売できる製品を作れるようになるまで10年ぐらい修業を積むそうです。

江戸切子の代表的な紋様

 江戸切子館では主に、グラスやお皿を製作していますが、ほかにも風鈴や照明などのインテリアも製造しています。

江戸切子のランプシェード

 すみだ江戸切子館では、自分だけのオリジナルグラスを作る江戸切子体験を行うことができます。江戸切子の製品は高価なものも多いですが、それは熟練の職人が時間をかけて一つ一つを削り出しており、大量に作ることができないためです。切子細工をお客さんに体験していただくことによって、職人の技術のすごさや、細やかなデザインの製品の価値をご理解していただいた上で製品を買ってもらいたいという思いで、江戸切子体験を実施しています。

 工房ではすみだマイスターの川井更造さんが切子細工を施していました。15歳で職人の道に入り、20年の経験で培われた技術をもって緻密で美しい作品をたくさん生みだしておられます。集中して作成する緊迫感が見学した私にも伝わり圧倒されました。

すみだマイスター川井さん

 すみだ江戸切子館は、江戸切子の美しさ、切子職人の高い技術を多くの人々に知ってもらい、また伝統を後世に受け継ぐために、単に製品を販売するだけではなく様々な方法で来店者に江戸切子の魅力を発信しています。

 鈴木さん、川井さん、お忙しい中ありがとうございました。

※今回の取材・記事の作成にあたっては、都立橘高校の半田 敏幸さんにご協力いただきました。

■工房ショップ すみだ江戸切子館
■すみだ江戸切子館ホームページ

パルティーレ
アウト オブ キッザニア in すみだ
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