2017-7-3

懐深いすみだのものづくりとアトリエ アミーチ

本日はすみだ3M運動「工房ショップ」の一つ、「アトリエ アミーチ」さんにお邪魔して、片野一恵さんに、お話を伺いました。

「アトリエ アミーチ」外観

入口にあるロゴマーク

錦糸町駅から西に向かい大横川親水公園を過ぎてしばらく、 石原四丁目にある「アトリエアミーチ」は「丸ヨ片野製鞄所」の工房ショップとして 皮革製品の製作と墨田の地場産業であるピッグスキン(植物タンニンなめし)を使った「紙袋型トートバッグ」や「せんべい型小銭入れ」などのオリジナル製品の販売をしています。

店内の様子

 

紙袋型トートバッグ

せんべい型小銭入れ

「丸ヨ片野製鞄所」は、戦後まもなく片野義郎氏が「片野製鞄所」として創業し、昭和30年に義郎の一文字から屋号を「丸ヨ片野製鞄所」と改めて、以来学生鞄の製造を柱に皮革鞄を作り続けてきました。

「丸ヨ片野製鞄所」で製造された学生鞄

製鞄の業界は、様々な工程を分業で役割分担しているため、それぞれの業者が特化した技術やシステムを持っているそうです。
長く続いてきたその業態の中で、丸ヨ片野製鞄所も「学生鞄」の技術を元に製作を展開してきました。

しかし近年は、各専門業者の廃業や、業態の変化、需要の多様化などもあり、新しい分野での挑戦や、若手の育成などにも重要性を感じて、積極的に取り組んでおられます。

革に装飾具をつける時に使用するハンマー

 

「箔押し」に使う金型

ものづくりコラボレーション事業(※1)でのデザイナーとの新商品開発では「すみだモダン2016」認証商品(※2)となった「丸バッグ」を生み出し、また、店舗とは別に開設した「maruyo leather lab MEW」(墨田区太平1-1-6)では、若いつくり手向けて革加工の設備・機材を開放し、独立して事業を継続できるよう、OJTや仕事のシェアによる支援を行っています。また、「アコーディオンポーチづくり」や革はぎれを使った「モザイクはり絵」などのワークショップの企画・実施にも取り組み、幅広く活動されています。ワークショップに参加した子どもが、大きくなって声をかけてくれて感激したこともあるそうです。

「すみだモダン2016」認証商品
    「丸バッグ」

墨田区新ものづくり創出拠点
「maruyo leather lab MEW」

片野さんに、とても興味深いお話を伺いました。
墨田区の産業はとても幅がひろく、伝統工芸の手仕事から、機械工場の量産工業製品まで様々なものづくりが隅々まで広がっています。

その背景には、江戸の中心地からの程よい距離感や隅田川や江戸川などの河川流域であることがあり、河川が果たした役割は運河としての利用はもちろん、皮革製品や、繊維製品の製作工程に欠かせないなめしや洗浄のための水、火を使うガラス工場には防火用水として、大変重要だったのです。

皮革を扱うと油脂がでる、油脂を使って化粧品や石鹸がつくられ、ガラス工場でつくられた瓶に詰められる。
そんな循環や連携が、このすみだではずっと行われてきたのです。

片野さんは、ものづくりが生活の中に自然に息づいている墨田という街のなかで音をたてながら、ものを生み出している姿を次世代に見せていきたいと思っています。そして、世代を問わず、作りたい、やってみたいという方に会い、将来仕事として選択されるような業態を目標にしています。

「アトリエ アミーチ」片野一恵さん

お話を伺い、改めて、すみだのものづくりの幅広さと懐深さを認識することとなりました。
そんな町の中で自分もひとりのものづくりに携わる者として仕事できることに喜びと誇りを持つことができました。

片野さん、ありがとうございました。

取材:硝子企画舎 井上剛

 

※1 「ものづくりコラボレーション事業」
世界的に活躍するクリエイターとチームを組んで、新商品開発にチャレンジする事業者を墨田区が支援する事業です。

※2 「すみだモダン2016」認証商品
「あたらしくある。なつかしくある。」のコンセプトのもと、すみだらしい、付加価値の高い商品や飲食店メニューを「すみだモダン」として認証し、すみだの魅力を国内外に情報発信しています。平成22(2010)年から始まり、平成28(2016)年で7回目を迎えました。

工房ショップ「アトリエ アミーチ」
■「maruyo leather lab MEW」ホームページ
丸ヨ片野製鞄所公式ホームページ

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